Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Omer, M.; 羽島 良一*
JAEA-Data/Code 2018-007, 32 Pages, 2018/06
原子核蛍光共鳴散乱(NRF)は、核物質の非破壊検査(NDA)において有用な技術である。NRFは同位体に固有のエネルギーをもったガンマ線と物質の相互作用であることから、同位体を識別したNDAを実現できる。しかしながら、NRFと競合する他の光核相互作用が存在し、そのため、NRFによるNDAの測定性能が制限される可能性がある。競合する相互作用のうち原子核によるガンマ線の弾性散乱(デルブリュック散乱)は、これまでのモンテカルロコードでは考慮されていなかった。日本原子力研究開発機構では、平成27年度からNRFに基づくNDAシステムの開発プログラムを開始し、その一環としてガンマ線の弾性散乱がNRF測定に及ぼす影響を評価するために、Geant4にガンマ線の弾性散乱を追加するためのコードを新規に開発した。今回刊行するJAEA-データ/コードレポートでは、シミュレーションコードの詳細な説明と、コード入力に用いたガンマ線弾性散乱断面積、および、コードの検証と妥当性確認に用いた計算結果を示す。このレポートを公開することで、当該コードの信頼性向上に必要なユーザーからのフィードバックの機会が得られる。本研究は文部科学省の核セキュリティ強化等推進事業費補助金の支援を受けた。
Omer, M.; 羽島 良一*; 静間 俊行*; 小泉 光生
Proceedings of INMM 58th Annual Meeting (Internet), 7 Pages, 2017/07
核共鳴蛍光(NRF)は、核の電気双極子励起および/または磁気双極子励起が起こるプロセスである。これらの励起はそれぞれの原子核の固有のシグネチャであるため、NRFは核物質の非破壊検知出と分析・測定のための実用的なツールを提供する。偏極線ビームを使用すると、原子核の励起の性質を区別することは容易である。散乱角90では、電気双極子励起は偏光面に対して垂直に放射されるが、磁気双極子励起は入射ビーム偏光と同じ平面内で放射される。対照的に、原子との他の線相互作用は、入射ビームの偏光に関して異なる応答を示すことがある。例えば、弾性散乱は入射ビームの偏光方向において他の方向より約60%低い放射強度を与えることが期待される。光子エネルギーに基づいてNRFと弾性散乱とを分離することができないので、この事実は、NRF技術の感度に大きな影響を及ぼす。我々は、2.04MeVのエネルギーを有する100%直線偏光線を用いて行ったUにおける光子散乱実験の結果について、弾性散乱が入射ビームの偏光にどのように応答するかを実証する。したがって、我々は、NRF測定における入射光子の偏光の影響を解決することができる。
Omer, M.; 羽島 良一*; Angell, C.*; 静間 俊行*; 早川 岳人*; 瀬谷 道夫; 小泉 光生
Proceedings of INMM 57th Annual Meeting (Internet), 9 Pages, 2016/07
核種の核共鳴蛍光反応過程で放出される核種固有の線は、核物質の非破壊検知及び測定の非常に良い方法を提供する。われわれは、線非破壊検知及び測定に関連する技術を開発している。核共鳴蛍光反応をシミュレートするモンテ・カルロコードは非破壊測定装置の設計及び評価において不可欠なものである。われわれは、そのため、Geant4コードをベースとするシミュレーションコードNRFGeant4を開発している。核共鳴蛍光反応実験においては、一般に高濃度測定対象物が使われる。この場合は核共鳴蛍光反応線が強く、測定しやすいためである。それに対して実際の状況では、測定したい(興味のある)核種が小さい組成比でしか含まれていないことがある。このような状況では、核共鳴蛍光反応線の測定が、他の反応(例として、(核共鳴反応と同じような)弾性散乱)からの影響を受けて困難となる。例えば、典型的な核燃料のペレットは90%程度のUを母材として含むが、測定対象として興味のあるPuは約1%以下の割合でしか含まれていない。このような場合、Puからの核共鳴蛍光線の測定においては、Uの弾性散乱からの強い線バックグランドが発生することとなる。それゆえ、母材の弾性散乱(線)強度を評価することは、測定しようとする(興味のある)核種の正確な測定においては不可欠なこととなる。現段階においては、弾性散乱の満足のゆく評価は(ある計算を除いて)できていない。われわれのこの研究では、弾性散乱事象を取込むように、シミュレーションコードの高度化を行っている。
Omer, M.; 静間 俊行*; 羽島 良一*; Angell, C.*
no journal, ,
米国デューク大学でレーザーコンプトン後方散乱によって生成された直線偏光線を用いて弾性散乱実験を行った。高純度Ge検出器を用いて、2MeVのエネルギーの光子のウランターゲットによる弾性散乱を測定した。本測定結果を、核共鳴蛍光散乱による同位体同定の感度改善のためのシミュレーション計算に用いる。本講演では、偏光線の弾性散乱断面積の検証結果について報告する。この結果は、核共鳴蛍光散乱による同位体の同定の感度を改善するのに役立つ。
Omer, M.; 羽島 良一*
no journal, ,
Gean4(線シュミュレーションコード)に、コヒーレント散乱として現在考慮されていない物理過程を追加することを提案する。Geant4における線コヒーレント散乱または弾性散乱の取り扱いは、Reyleigh (R)プロセスのみで弾性散乱全体がカバーされるものとなっている。しかし、それに競合するプロセスとして原子核Thomson(NT)プロセスやDelbrck(D)プロセスがあり、それらを加えた散乱振幅およびそれらの干渉についても考慮する必要がある。そこで、Rの振幅を散乱行列計算に基づいて準備するとともに、D振幅は最低次のBorn近似に基づいたものを準備した。また、NTには、解析的方程式を用いた。このシミュレーションは、核共鳴蛍光散乱を利用する核物質の非破壊測定の全体プロセスをシミュレーションする場合には不可欠である。